豊前神楽 (国の重要無形民俗文化財)|「生命と微量元素」講座<荒川泰昭>

「生命と微量元素」講座

神楽探訪

豊前神楽 (国の重要無形民俗文化財)

豊前神楽・三毛門神楽講(春日神社)

三毛門神楽(みけかどかぐら)は、豊前市にある6つの神楽講の1つ「三毛門神楽講」が演じ、毎年、豊前市三毛門にある 春日神社の秋祭り等で奉納されている。演目の構成は、出雲流神楽の採物・能神楽を主体としながらも伊勢流神楽湯立神楽修験道文化が混合された豊前独特の神楽形態となっている。

豊前神楽の成立は15世紀から16世紀にかけてではないかと推察されているが、三毛門神楽の成立は明治10年頃、沓川神社大宮司の高橋勝正の指導によって沓川神楽講三毛門神楽講が結成された時ではないかといわれている。また、江戸時代中頃以降、豊前神楽に仮面を用いた演劇性の高い神楽が取り入れられたといわれているが、三毛門の神楽面はいつのものか不明ながらも豊前市の中では最も古いといわれている。

特徴として、奉納神楽の一つ「大蛇退治」に使う大蛇は、三毛門神楽講の人が毎年新ワラで作っており、全体がワラで作られているものは全国でも珍しいという。また、三毛門神楽には、蛭子(えびす)神楽というオリジナル神楽がある。観客を巻き込んで一体となり、無病息災を願う滑稽さが持ち味の舞いである。
■ 豊前神楽・岩戸神楽
<中学同窓・松崎泰士君撮影>

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

昼間:舞殿での神楽「御先祓いの舞」
子ども御先(鬼の赤ちゃん抱っこ)
児童等の無病息災を祈念

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

春日神社の秋祭り  昼間:舞殿での神楽(大蛇退治など)
▼ 湯立神楽「湯立駈仙」(春日神社)
夜は境内で湯立神楽が行われる。湯立神楽の準備が始まり、境内の中央には、結界が張られ、焚き木に火がつけられ、その上には水の入ったが置かれる。そして、いよいよ湯立神楽が開始される。焚き火の回りをぐるぐる逃げ回っていた鬼は、やがて逃げ場を失い、観念し、木(竹)の棒をよじ登って逃げようとする。木のてっぺんに登りついた鬼は、そこでの逆さ吊りや、綱を伝って降りる途中での逆さ吊りなど、命綱なしでアクロバットな演技を見せる。

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

豊前神楽・岩戸神楽・湯立て神楽

2010.12.4 14.00〜23.30撮影

豊前・岩戸神楽 山内神楽講(日吉神社)

■ 豊前神楽・岩戸神楽
豊前神楽の特徴は、祓いの概念をもつ「採物神楽」と神話に基づく演劇的要素の強い「出雲系神楽」を主体とし、これに湯立てを行う「伊勢系神楽」の要素が混合していることである。さらに、演目内容からみると、祓いの舞を中心とした、すなわち採物神楽を中心とした「式神楽」と、出雲神話を題材とした面神楽による「奉納神楽」に大きく区分され、その特徴は出雲系の神楽を中心としながらも、伊勢系の「湯立神楽」を最大の特徴としている。しかも、その「湯立神楽」では「人形の祓い」「湯立駈仙」「火渡り」「松倒し(幣切り)」といった極めて修験道色の強い要素が見られ、求菩提山で隆盛を誇った山岳修験文化の影響を強く残している。
▼ 豊前・岩戸神楽 真冬の奉納 湯立神楽 「火渡り」(日吉神社)
通常は、約8時間余りをかけ、「式神楽」「大蛇退治」「駈仙神楽」「湯立神楽」「岩戸前神楽」などを奉納。豊前神楽独特の激しい舞と、修験道色の強い湯立神楽(祓舞、神随、湯立駈仙、火鎮、火渡り):とくに10mの斎鉾(柱)を登る「湯立駈仙」とその後に行われる「火渡り」は圧巻である。写真は真冬の「火渡り」である。
<中学同窓・松崎泰士君撮影>

豊前の岩戸神楽

豊前の岩戸神楽

豊前の岩戸神楽

豊前の岩戸神楽

2015.2.13 14.00〜撮影

豊前神楽・岩戸神楽 岩屋神楽講(七社神社)

■ 豊前神楽・岩戸神楽 岩屋神楽
岩屋地区では、1762年(宝暦12年)の三毛門手永による「村々寺社御改帳」に、七社神社の祭礼で(毎年9月15日に)神楽が奉納されたとする記録があり、また南元家に残されている神楽面箱には1857年(安政4年)の年号が記されていることから、江戸時代には氏子神楽講が存在していたと推察されている。明治・大正時代には神楽を奉納できる地元の人がおらず、岩屋地区の例祭には、山内神楽講の神楽が奉納されていたという。しかし、1928年(昭和3年)の昭和天皇即位の儀式(御大典記念行事)に際して、神楽の奉納を行うべく、数人の有志が山内神楽講に師事して現在の岩屋神楽講を立上げ、第二次大戦中も絶えること無く舞われて来たという。舞・踊りの特徴は、全般に、静かな舞で、七社神社の氏子に伝わるお囃子を山内神楽の演舞に合うように修正する等、経緯から、山内神楽の影響を色濃く受けているという。また、山村のため、山向こうなど他地域の神楽とも積極的に交流を図り、掛手草(かけてぐさ)神楽の神楽歌や五穀成就(ごこくじょうじゅ)神楽などは市内のものには見られない演目である。「掛手草」では、下毛郡三光村の佐知系神楽からの一部取り入れや、大平村の唐原神楽に指導を受けるなど、近郊神楽の演目が積極的に取り入れられている。
▼ 豊前・岩屋神楽 子ども神楽 (七社神社)
以下の写真は、2018年10月21日(日)撮影、豊前市の岩屋地区にある七社神社で行われた岩屋神楽講による秋の奉納神楽である。七社神社は国指定の重要無形民俗文化財「豊前神楽」のひとつである岩屋神楽講の本社である。山の中腹まで続く長い石段や社殿の佇まいが神秘的な神社である。豊前岩屋神楽・成恒保存会の子ども神楽「御先」が演じられた。
<中学同窓・松崎泰士君撮影>

岩屋神楽・子ども神楽

岩屋神楽・子ども神楽

岩屋神楽・子ども神楽

岩屋神楽・子ども神楽

岩屋神楽・子ども神楽

岩屋神楽・子ども神楽

岩屋神楽・子ども神楽

岩屋神楽・子ども神楽

岩屋神楽・子ども神楽

岩屋神楽・子ども神楽

岩屋神楽・子ども神楽

岩屋神楽・子ども神楽

岩屋神楽・子ども神楽

子ども神楽「御先」
2018.10.21 14.00〜撮影

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