平戸大大神楽 (国の重要無形民俗文化財)
平戸大大神楽 亀岡神社秋季大祭(平戸市・平戸城内)
平戸大大神楽(「岩戸神楽」とも呼ばれる)が、平成25(2013)年10月26日、長崎県平戸市の平戸城内にある亀岡神社の秋季大祭で奉納された。
■ 平戸神楽
平戸神楽(ひらどかぐら)は、長崎県平戸地方に伝わる民俗芸能で、平戸市ほか壱岐を除く旧平戸藩領内の各神社の祭礼で奉納される採物神楽(とりものかぐら)の一種である。平戸神楽は、宮崎県の高千穂神楽とともに九州を代表する神楽であり、1987年(昭和62年)1月28日、同じ旧平戸藩領に伝わり源流を同じくする壱岐神楽と同時(指定は20日遅れで)に、国の重要無形民俗文化財に指定された。
平戸神楽は、24番(演目)からなり、笛、太鼓を主旋律とした雅楽によって舞われ、歌詞は敬神思想の鼓吹と尚武清浄の気に満ちた荘重なものである。神社の祭式にあわせて、小神楽(8番)、中神楽(12番)、大神楽(18番)、大大神楽(24番)の4種に分けられ、代々神職によって伝承されている。すなわち、全24番の平戸神楽は、氏子に任せず、各神社の神職が舞い手を務めるのが伝統であり、特徴である。
平戸神楽の由来は、戦国時代末期の元亀年間(1570年〜1573年)、壱岐国が平戸の松浦氏の領有となったため、壱岐の惣神主・吉野甚五左衛門末秋が、壱岐の社家20余名を率いて平戸の松浦氏の居城をおとずれ、壱岐に伝わっていた御竈祭(みかまどまつり)の神楽を舞ったことが発祥といわれている。その後、平戸の神職も加わって神楽が行われるようになり、さらに歴代藩主の保護奨励を受け、藩内神社の祭礼には必ずこの神楽が奉納されるようになり、代々の神職による伝承によって今日に至っているという。
現在の平戸神楽の基礎は、江戸時代に入り、第29代平戸藩主・松浦鎮信(天祥)の時代(1637年〜1689年)に、壱岐出身の神職の子・橘三喜が、藩主の命を受けて上京し、陰陽説の神道家吉田惟足や吉田家に神道を学び、正保年間(1644〜1648)に全国各地の一の宮を巡拝して、各地の神楽を見聞した後、父の出身地の壱岐神楽などを参考にしながら、平戸神楽24番を完成させたと伝えられている。
平戸神楽は、24番(演目)からなり、笛、太鼓を主旋律とした雅楽によって舞われ、歌詞は敬神思想の鼓吹と尚武清浄の気に満ちた荘重なものである。神社の祭式にあわせて、小神楽(8番)、中神楽(12番)、大神楽(18番)、大大神楽(24番)の4種に分けられ、代々神職によって伝承されている。すなわち、全24番の平戸神楽は、氏子に任せず、各神社の神職が舞い手を務めるのが伝統であり、特徴である。
平戸神楽の由来は、戦国時代末期の元亀年間(1570年〜1573年)、壱岐国が平戸の松浦氏の領有となったため、壱岐の惣神主・吉野甚五左衛門末秋が、壱岐の社家20余名を率いて平戸の松浦氏の居城をおとずれ、壱岐に伝わっていた御竈祭(みかまどまつり)の神楽を舞ったことが発祥といわれている。その後、平戸の神職も加わって神楽が行われるようになり、さらに歴代藩主の保護奨励を受け、藩内神社の祭礼には必ずこの神楽が奉納されるようになり、代々の神職による伝承によって今日に至っているという。
現在の平戸神楽の基礎は、江戸時代に入り、第29代平戸藩主・松浦鎮信(天祥)の時代(1637年〜1689年)に、壱岐出身の神職の子・橘三喜が、藩主の命を受けて上京し、陰陽説の神道家吉田惟足や吉田家に神道を学び、正保年間(1644〜1648)に全国各地の一の宮を巡拝して、各地の神楽を見聞した後、父の出身地の壱岐神楽などを参考にしながら、平戸神楽24番を完成させたと伝えられている。
■ 平戸大大神楽
演目の中で、番数が最も多い大大神楽は「岩戸神楽」とも呼ばれ、亀岡神社(平戸市の平戸城内に鎮座する神社)の秋季例大祭(毎年10月26日)でのみ奉納されている。すべての演目が終了するまでに7〜8時間を要し、最終演目は日没後になるという。1987年(昭和62年)1月28日、国の重要無形民俗文化財に指定された。
■ 平戸大大神楽 全24番
1番 太鼓始(たいこはじめ):神のご降臨を願う。2番 荒塩(あらしお):四方を祓う。3番 四本弊(しほんへい):弊束(みてぐら)を供える。4番 二本弊(にほんへい):弊束を立て神の降臨を祈る。5番 所堅(ところかため):神楽座を祓い清める。6番 二弓(にきゅう):悪霊を祓い、祈る。甲胄を纏い弓矢を持って舞う。7番 山の神(やまのかみ):天照大神の御神徳を称える。8番 折敷(おしき):曲芸的な所作で、神の御心を和ませ奉る。9番 懸弊(かかりへい):神弊を持ち、神相撲の基礎的な舞。10番 神相撲(かみすもう):相撲の技を神楽化したアクロバットな舞で、心身の強健息災を祈る。11番 五方開(ごほうひらき):人体構成元素の神々と高天原の生成化育の神々を招く舞。12番 注連舞(しめまい):注連縄の起原を知らしめる。13番 二剣(にけん):平戸神楽の代表的な舞の一つ。太刀を口にくわえ、小刀を両脇に抱えながら、太刀によって邪気を祓う舞。14番 三種舞(さんしゅまい):神の御神徳を称え、神道での鏡、玉、剣の意味を説く。15番 四剣(しけん):十握(出雲大社)、雨村雲(伊勢神宮)、草薙(熱田神宮)、蝿欺(石上神宮)の四剣を祀り、天下泰平と豊かな国土を祈る。16番 神代開(じんだいひらき):日本の成り立ちを説く。17番 猿田彦舞(さるたひこまい):二剣と並ぶ平戸神楽の代表的な舞で、天孫降臨の際、猿田彦の神が道案内をする様子を演じる。18番 四弓(しきゅう):祓物である座陣(ざじん)・発向(ほうこう)・護治(ごじ)・治世(じせい)を祓い清める。19番 鉾舞(ほこまい):神々の誕生より、天の鉾が国々の根源となることを奏でる。20番 供米舞(くままい):岩戸前に黄金の米を撒き、三つの宝をかけ、月光が拝める事を願う舞。21番 細女命(うずめのみこと):天岩戸の前での舞。22番 手力雄命(たじからおのみこと):天照大御神が隠れている天岩戸を探しあて、強力で岩戸を開ける神。23番 岩戸歌(いわとうた):子々孫々の繁栄を祈る神楽歌。24番 八散供米(やちくま):締めくくりの神楽で、剣により邪気を祓い、天下泰平を祈り、諸々の神にお供えし、氏子の繁栄を祈る。
ちなみに、演目中「二剣」は真剣3本(太刀1本、小刀2本)を使うことから「三本舞」とも呼ばれ、舞手の技術力・体力・集中力が求められる最も難しい演目であるという。「二剣」の出来次第で、神楽全体の完成度が決まるともいわれており、平戸神楽を代表する演目の一つとされている。
ちなみに、演目中「二剣」は真剣3本(太刀1本、小刀2本)を使うことから「三本舞」とも呼ばれ、舞手の技術力・体力・集中力が求められる最も難しい演目であるという。「二剣」の出来次第で、神楽全体の完成度が決まるともいわれており、平戸神楽を代表する演目の一つとされている。
<中学恩師・今林和佐子先生写真提供>
以下の写真は、今林先生が「神楽展示会」で使われた写真。
二弓
山の神
神相撲
二剣
猿田彦
宇豆女(鈿女)
天の岩戸
2013.10.26 11.00〜撮影あ