英国王チャールズ3世の戴冠式
Coronation ceremony of King Charles III of England
英国王チャールズ3世の戴冠式がウエストミンスター寺院で行われた 2023.5.6
The coronation of King Charles III of England took place at Westminster Abbey in London on May 6, 2023.
■ 式場・ウェストミンスター寺院へパレード
▼ バッキンガム宮殿を出発 ウェストミンスター寺院へ
チャールズ国王夫妻は、バッキンガム宮殿を出発し、エリザベス女王の在位60周年を記念して作られた馬車「ダイヤモンド・ジュビリー・ステート・コーチ」を使って「王の行列」と呼ばれる行列で、あいにくの雨中を式場・ウェストミンスター寺院へ向かう
バッキンガム宮殿の中央ゲートから祭典や儀式などが行われる「ザ・マル」という宮殿前の大通りを進み、1912年に完成した歴史的な建造物「アドミラルティ・アーチ」をくぐって首相官邸や政府機関の建物が建ち並ぶ「ホワイトホール」前を通り、さらに議会の周辺を通って、ウェストミンスター寺院に入る。
▼ 戴冠式を控えたウェストミンスター寺院
チャールズ英国王の戴冠式を待つウェストミンスター寺院
▼ チャールズ国王、ウェストミンスター寺院に到着
チャールズ国王、ウェストミンスター寺院に到着。ウィリアム皇太子夫妻の長男ジョージ王子は「ページ・オブ・オナー」として少年7人とともに国王夫妻の長いローブのすそを持つ役を務める。
写真は、寺院の中を進むチャールズ国王。後ろでローブを持つ孫のジョージ王子
写真は、寺院の中を進むチャールズ国王。後ろでローブを持つ孫のジョージ王子
■ 英国王チャールズ3世の戴冠式
▼ 式次第
@ 戴冠式「承認」 カンタベリー大司教がウェストミンスター寺院の信徒に国王を紹介する。信徒は「神よ、王を救いたまえ!」と叫び返す。 A 戴冠式「宣誓」 国王が統治を宣言する。代々の伝統に従い、「法を遵守し、慈悲の心で正義を行使し、英国国教会の長として信仰と教義を維持する」ことを誓う。 B 戴冠式「聖別」 聖エドワードの椅子の周辺に覆いが立てられ、国王への塗油が行われる。 C 戴冠式「叙位・戴冠」 国王が君主の宝珠、戴冠の指輪、十字架のついた王笏、ハト飾りのついた王笏を受け取り、最後に王冠をいただく。 D 戴冠式 チャールズ国王が戴冠 国王に聖エドワード王冠を授けられる。聖エドワード王冠は君主の戴冠のみで使われる。 E 戴冠式「王座」 王族たちが王座の国王にひざまずき、忠誠の誓いを行う。また、寺院内の全員が誓いを行う。 F 戴冠式 カミラ王妃の「戴冠」 カミラ王妃が聖別、戴冠を受ける。メアリー王妃の冠が授けられる。 G 戴冠式「聖餐」 国王夫妻が聖餐を受ける。チャールズ国王は大英帝国王冠にかぶり直す。大英帝国王冠は国家行事で用いられる王冠である。 H 戴冠式 英国歌の斉唱 英国歌の斉唱と、それに続く演奏が流れる中、チャールズ国王夫妻がウェストミンスター寺院を後にする。 |
▼ 戴冠式「承認」および「宣誓」
戴冠式「承認」:
カンタベリー大司教が信徒に国王を紹介する。
カンタベリー大司教が信徒に国王を紹介する。
戴冠式「宣誓」:
国王が統治を宣言する。慈悲と正義の心で法を遵守し、信仰と教義を維持する」ことを誓う。
国王が統治を宣言する。慈悲と正義の心で法を遵守し、信仰と教義を維持する」ことを誓う。
▼ 戴冠式「聖別」
戴冠式の開始を待つ「聖エドワードの椅子」(赤色)
チャールズ英国王の頭に「聖油」を注ぐ儀式のために、聖エドワードの椅子の周辺に覆い(衝立)が立てられ、国王への塗油が始まる。
戴冠式「聖別」:王としての聖油を塗られ、聖別される。
この「聖油を国王の頭に注ぐ儀式」すなわち「聖別」の儀式は最も重要な儀式とされており、この儀式により国王は「聖なる身分」を持つことになる。国王は英国国教会の長を兼ねていることから信仰と法を守る誓いも同時に行われる。儀式後、国王は戴冠のための「聖エドワードの椅子」に座り、衝立は取り払われる。
▼ 戴冠式「叙位・戴冠」
王権を象徴する君主の宝珠、戴冠の指輪、十字架のついた王笏、ハト飾りのついた王笏を受け取り、最後に王冠をいただく。
▼ 戴冠式 チャールズ国王が戴冠
カンタベリー大主教によって「聖エドワード王冠」を授かるチャールズ国王。
「聖エドワード王冠」は君主の戴冠時のみで使われる。戴冠式「聖餐」以後は、通常の国家行事で用いられる「大英帝国王冠」にかぶり直す。
バッキンガム宮殿にて祝砲が上がる
王冠をいただき、王笏を両手に持ったチャールズ3世
「聖エドワード王冠」を戴き、「王笏」を両手に持ち、「聖エドワードの椅子」に座る
「聖なる身分」を得て「戴冠」を終えた国王チャールズ3世
「聖なる身分」を得て「戴冠」を終えた国王チャールズ3世
▼ 戴冠式 「王座」
戴冠式 「王座」:ウィリアム皇太子が戴冠した父王の前にひざまずき忠誠の誓いを行った。
戴冠の後は、王族としての伝統儀式になり、カンタベリー大司教と王族たちが王座の国王にひざまずき、忠誠の誓いを行う。今回はこの儀式は簡略化され、ウィリアム皇太子が戴冠した父王の前にひざまずき忠誠の誓いを行った。
▼ 戴冠式 英国歌の斉唱
英国歌の斉唱と、それに続く演奏が流れる中、チャールズ国王夫妻がウェストミンスター寺院を後にする。
■ 戴冠式を終え、バッキンガム宮殿へパレード
英国王チャールズ3世の戴冠式終了
参列者を2200人程度にして、式典の規模を縮小し、内容を簡素化した今回のチャールズ国王の戴冠式は、「長年の伝統や荘厳さを残しつつも、現代の王室の役割やあり方を反映させ、未来に目を向けたものにする」(イギリス王室)ことをモットーに、宗教典礼と華麗な様式を組み合わせ、かつ現代社会の多様性を反映させ、あるいは配慮した謙虚な儀式となった。
▼ ウェストミンスター寺院を出発 バッキンガム宮殿へ
王権を象徴する王笏と宝珠を手に、ウェストミンスター寺院を出るチャールズ国王。後ろでローブを持つ孫のジョージ王子
▼ バッキンガム宮殿へパレード
戴冠式が終わり、王権を象徴する王笏と宝珠を手に、ウェストミンスター寺院を出発。1831年の戴冠式以降、全ての式で使われた伝統の馬車「ゴールド・ステイト・コーチ」で、あいにくの雨中をバッキンガム宮殿へ向かう。パレードの経路は、往路と同様に、「ホワイトホール」前を通り、「アドミラルティ・アーチ」をくぐって、宮殿前の大通り「ザ・マル」へと進み、バッキンガム宮殿へ戻る。距離は2.29キロである。
馬車「ゴールド・ステイト・コーチ」でバッキンガム宮殿へ向かう
「アドミラルティ・アーチ」をくぐって、宮殿前の大通り「ザ・マル」へと進む
戴冠祝いに集まった人々(宮殿前の大通り:ザ・マル)
戴冠祝いに集まった人々(バッキンガム宮殿前庭)
▼ バッキンガム宮殿に戻り、観衆に挨拶
バッキンガム宮殿のバルコニーに出て、宮殿前に集まった人たちに手を振る国王夫妻とロイヤルファミリー。この時、英軍「レッド・アローズ」がバッキンガム宮殿の上空を通過する儀礼飛行で、国王戴冠を祝った。
英国BBCテレビ、日本TV各社(NHK、テレビ朝日、TBS,日本テレビ、フジテレビ、テレビ東京)より時事の事実報道として公表放映されたニュース動画像を、時事記録の保存用に、デジタルカメラにて撮影し、画像加工し、編集した。