中国発生のコロナウイルス感染拡大:拙悪なる初期対応 −感染の緊要「蟻の一穴」の理−|「生命と微量元素」講座<荒川泰昭>

「生命と微量元素」講座

中国発生のコロナウイルス感染拡大:拙悪なる初期対応

The infection spread of the new coronavirus broken out in China,
being due to stupid initial responses

感染の緊要「蟻の一穴」の理  2020年1月20日

The urgent importance of infection is the reason of
"hole of the ant is a tear of the world”
新年早々、国際会議の特別招待講演で訪れた中国・武漢で、新型コロナウイルスが発生したとのニュースが入った。この不穏なニュースに接した時、2009年の新型インフルエンザ(パンデミック2009)が脳裏を過り、思わず「感染の緊要“蟻の一穴”の理」と懸念の拙句を口走っていた。ウイルス感染においては、この時期での「迅速な対応」が最も重要で、「蟻の一穴天下の破れ」(ほんの僅かな油断や軽視が、大きな失敗や損害さらには国家の乱れを引き起こす)の思いであった。感染の拡大は「人の移動/接触」が全てであり、その防止には「初期対応」が全てである。しかも、感染災害の大小は、「リーダーの智愚の差」に依存する。「(2020年1月20日)
■ 中国武漢にて新型コロナウイルス発生
▼ 初期拡散  2020.1.20

武漢発生コロナウイルス感染 1.20

中国武漢発生・新型コロナウイルスの初期拡散
発生初期の経過をたどると、1)当初、1月2日までに中国武漢で発生した新型コロナウイルス感染症患者は41例と発表されたが、1月18日に4例、1月19日に17例、1月20日に136例の新規症例が報告され、計198例となった。2)タイでは61歳の男性が武漢への旅行で感染し、1月5日に発症、12日に診断され、また1月17日に2例目の感染者が出た。3)日本国内では、神奈川県の30代男性が中国・武漢で1月3日に発熱、1月6日に帰国、1月10日に発症が診断され入院、1月16日に報告された。4)武漢以外の中国では、広東省において、12月29日から武漢へ渡航、1月3日に発症し、1月4日に深セン市に移動した66歳男性が1月20日に感染症と診断された。また、北京市でも武漢への渡航歴がある2名が1月20日に新型コロナウイルス感染症と診断された。5)韓国でも武漢に渡航歴のある中国人女性が輸入例として報告された。6)この時点では、日本、タイ、韓国での合計4例の輸入例と中国国内の武漢以外の地域での3例に、武漢で発生した計198例を合わせて、現在205例の感染者が報告されているが、全ての症例が武漢市で感染していると考えられ、武漢市以外の場所での感染事例はないとされている。この時点では、武漢での感染計198例の内、死亡は3例である。

折しも、中国の旧正月(春節)休暇(2020年1月24日〜30日)が近づく中、数百万人という中国から日本への大量移動が実行された場合、取返しのつかない深刻な感染拡大が懸念される。とくに、今後の対応の優劣によっては、1人が多人数に感染を広げるウイルス保有者(スーパースプレッダーsuper-spreader)の存在や集団から次の集団への感染連鎖を引き起こす感染者集団(クラスターcluster)の存在による感染拡大が想定されるだけに、国民に迷惑をかけることのないよう行政の判断能力のレベルが試される。愚策による大量殺人の如き最悪な事態を招かぬよう祈る!
▼ 発生初期の感染状況  2020.1.26

中国発生のコロナウイルス感染拡大

中国武漢発生・新型コロナウイルスの初期感染状況 2020.1.26 (WHO報告より)

衛生学・公衆衛生学(社会医学、予防医学)的センス&リスク感覚の欠落

■ 各国における感染状況  2020年2月14日現在

中国発生のコロナウイルス感染拡大

中国・武漢発生の新型コロナウイルスによる世界への感染(WHO報告より)

中国発生のコロナウイルス感染拡大

中国発生のコロナウイルス感染拡大

中国発生のコロナウイルス感染拡大

新型コロナウイルス画像 2019-nCoV:a novel coronavirus images
National Institute of Allergy and Infectious Diseases' Rocky Mountain Laboratories
米国立アレルギー・感染症・ロッキーマウンテン研究所 (NIAID-RML)より
■ 日本における感染状況  2020年2月25日現在
感染者数:国内(感染者:137人、死亡:1人)、クルーズ船(英国船籍、横浜寄港)内(乗客乗員:691人、内閣官房職員・厚労省職員・検疫官:7人、死亡:3人)、チャーター便(武漢からの帰国者:14人)

中国発生のコロナウイルス感染拡大

感染の緊要「蟻の一穴」の理を心得るべし

中国発生のコロナウイルス感染拡大

中国人乗客の感染に端を発したコロナウイルス蔓延の大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」(旅客定員:2,706名、乗組員:1,238名)。船籍イギリスP&O社が所有し、アメリカに本拠地を置くカーニバル・コーポレーション(Carnival Corporation & PLC)の傘下、プリンセス・クルーズに所属。
今回、乗船している人数は、乗客:2666人、乗組員:1045人の合わせて3711人。その内、乗客を国籍別でみると、現在分かっている情報では、日本国籍:1281人、中国(本土、香港、マカオ)国籍:470人、アメリカ国籍:425人、カナダ国籍:215人、イギリス国籍:40人、ロシア国籍:25人、台湾国籍:20人、イスラエル国籍:15人、ニュージーランド国籍:13人、その他オーストラリア国籍など、合わせて56ヵ国からの乗客がいたようである。
TV(NHKテレビ)より時事の事実報道として公表放映されたニュース動画像を、時事記録の保存用に、デジタルカメラにて撮影し、画像加工し、編集した。
■ 各国における感染状況  2020年2月25日現在

中国発生のコロナウイルス感染拡大

中国・武漢発生の新型コロナウイルスによる世界への感染拡大(WHO報告より)
■ 日本における感染状況  2020年3月1日現在

日本における感染状況

(本日(3/1)で、クルーズ船の乗客乗員3711人全員の下船が完了した)

日本における感染状況

日本における新型コロナウイルス感染状況
(参考:Johns Hopkins CSSE、WHO、米CDC、厚生労働省)
■ 各国における感染状況  2020年3月1日現在

中国発生のコロナウイルス感染拡大

中国発生のコロナウイルス感染拡大

中国発生のコロナウイルス感染拡大

(参考:Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE、WHO、厚生労働省)
■ 各国における感染状況  2020年3月11日現在

中国発生のコロナウイルス感染拡大

中国・武漢発生の新型コロナウイルス:世界中へ感染拡大(WHO報告より)
とっくにパンデミックとなっている! どうした WHO? (2020年3月11日)
It's been a pandemic long ago ! What's the matter, WHO ? (2020.3.11)

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