5回目接種におけるオミクロン株対応2価ワクチンの効能は如何に?|「生命と微量元素」講座<荒川泰昭>

「生命と微量元素」講座

オミクロン株対応2価ワクチンの効能や如何に?

5回目接種における「オミクロン株対応2価ワクチン」の効能は如何に?

How effective is bivalent vaccine for Omicron strain in the fifth inoculation?
■ 5回目接種
接種会場:世田谷区立保健医療福祉総合プラザ(うめとぴあ内)
5回目接種日時:2022年12月24日(4回目接種より4.8か月後)
ワクチン(コミナテイ筋注):ファイザー/ビオンテック社製
接種されたものは、従来株(新型コロナウイルス感染症発症時の株で、起源株である)に由来する成分とオミクロン株に由来する成分との両方を含む、すなわち各々のスパイク蛋白質の設計図(mRNA)である2種類の成分を同時に含む「2価ワクチン」(BA.1対応型とBA.4-5対応型)である。
▼ 身体影響
今回の4回目接種より4.8か月後の5回目接種(ブースター接種)では、2回目接種時の派遣「打ち手」による筋注医療事故による傷害発症(血腫・組織損傷・神経損傷)の件(特記事項)もあり、問診医、打ち手、看護師の緊張下で行われ、接種手技、接種位置すべて問題なし。接種直後の副作用として、2〜3日間は、上腕の挙上・回旋時の疼痛、接種部位(三角筋)周辺の強い接触痛など、通常の症状が見られたが、それ以外、特に問題なし。

接種1日後

接種4日後

接種1日後
接種4日後
■ 5回目ワクチン接種まで(ヴァックス2回とブースター3回)の SP特異中和抗体価の消長
Prosperity and decline in virus S-protein specific neutralizing antibody titer from the first through the fifth vaccination (double-vaxxed and triple-boosted) against novel coronavirus (Covid-19)
2回目接種では筋注医療事故に遭遇し、傷害発症(血腫・組織損傷・神経損傷)によるSP特異中和抗体応答抑制が見られ、下図の如く、SP特異中和抗体価は98%CI信頼区間圏外異常低値を示したが、2回目接種より6か月後3回目接種(ブースター接種)および3回目接種より6か月後4回目接種(ブースター接種)では、SP特異中和抗体応答で見る限り、ブースター効果は有意に働いているようである。しかし、2回までの接種(ヴァックス)および3回目以降の接種(ブースター)、即ちさらに追加の四回目接種(ブースター)までを通してみる限り、有効なワクチン効果(ブースター効果を含む)は半年が限度のようである。
そしてさらに、4回目接種より4.8か月後の今回の5回目(ブースターとしては3回目)にあたる接種では、従来株オミクロン株2種類のmRNA成分を含む「2価ワクチン」が用いられたが、下図の如く、SP特異中和抗体応答で見る限り、そのブースター効果は接種25日後において4回目接種よりさらに強く表れているようである。
▼ オミクロン株対応2価ワクチンとは
オミクロン株対応2価ワクチンとは、従来株(新型コロナウイルス感染症発症時の株で、起源株である)に由来する成分とオミクロン株に由来する成分との両方を含む、すなわち各々のスパイク蛋白質の設計図(mRNA)である2種類の成分を同時に含む「2価ワクチン」である。
オミクロン株対応2価ワクチンには、BA.1対応型BA.4-5対応型があり、両者はいずれもオミクロン株の亜型であるため、現在流行の中心であるオミクロン株に対しては、従来のワクチン(従来株のmRNAのみを成分として含む1価ワクチン)に比べて、受け皿が多くなる分、より良い効果(重症化予防効果、短期間ではあるが感染予防効果、発症予防効果など)が期待されているようであるが・・・・因果関係など、確かなエビデンスは無い。
▼ スパイク蛋白特異中和抗体反応(抗体価)を定量的かつ定期的に評価
事故発生当時,「再接種」の必要性を要請して以来、「免疫獲得」の状況把握を目的に、各社の測定系を用いて、スパイク蛋白特異抗体反応(中和抗体価)を定量的かつ定期的に評価して来た。
Spike-specific neutralizing antibody responses (IgGsp values) have been evaluated quantitatively and regularly using the measurement system of each company for the purpose of grasping the situation of "immunity acquisition" since requesting the need of revaccination at the time of the accident
下図は、現下で混在するスパイク蛋白中和抗体検査の中でも特に感度、特異度に優れ、欧米で標準法として信用認可されているARCHITECT SARS-CoV-2 IgG U Quant(Abbott社)を用いたCLIA化学発光免疫測定法によるデータの一部を示す。
■ オミクロン株対応2価ワクチンの効能や如何に?

オミクロン株対応2価ワクチンの効能は如何に?

4回目接種より4.8か月後の今回の5回目(ブースターとしては3回目)にあたる接種では、従来株とオミクロン株の2種類のmRNA成分を含む「2価ワクチン」が用いられたが、SP特異中和抗体応答で見る限り、そのブースター効果は接種25日後において4回目接種よりさらに強く表れているようである。

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