度重なる中国からの黄砂襲来|「生命と微量元素」講座<荒川泰昭>

「生命と微量元素」講座

度重なる中国大陸からの黄砂襲来

Repeated attacks of yellow sand (Kosa) from
the Chinese continent

中国の大気汚染物質や微生物を運ぶ黄砂被害を懸念 2023年4月12~15日

Concern about yellow sand (Kosa) damage carrying hazardous
air pollutants and microorganism in China  2023.4.12-15
■ 黄砂とは
黄砂は、中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原など、モンゴル中国西北などの乾燥・半乾燥地域を起源とし、この発生源エリアにおける黄砂粒子(石英や長石などの造岩鉱物や、雲母、カオリナイト、緑泥石などの粘土鉱物を多く含む土壌・鉱物粒子)が風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられ、それが偏西風に乗って輸送され、中国北方エリア、さらには韓国、日本へと頻繁に襲来し、大気中に浮遊あるいは降下して、交通障害健康障害など深刻な被害を発生させている現象である。
■ 黄砂による被害
黄砂による被害は、モンゴルではによる害、中国では砂嵐による害、韓国では気象現象、日本では大気汚染と、被害に対する感覚理解被害の程度にかなりの差があるが、大気中に舞い上げられた黄砂は、発生源地域周辺の住民の健康農業生産生活環境にしばしば重大な被害を与えるばかりでなく、大気中に浮遊し、黄砂粒子を核とした雲の発生降水過程を通して地球全体の気候に影響を及ぼしている。また、海洋への降下は、海洋表層のプランクトンへの有害ミネラルの供給を通して海洋の生態系にも大きな影響を与えている。
■ 黄砂の発生や襲来が頻発している原因
北東アジアを起源とする黄砂の発生輸送・襲来のメカニズムについては、気象地質などの物理的・化学的要因が複雑に絡み合っているが、基本的には黄砂発生の要因は黄砂発生源エリアにおける@異常な気温上昇とA極端な降水量の減少であり、黄砂の襲来はBサイクロンなど風による上空(数千メートルの高度)への砂・埃の巻き上げとC偏西風による数千kmにわたる輸送である。

近年は、地球温暖化による気候変動などの影響を受けて、世界的に気温の上昇が続いており、それが深刻な黄砂発生を誘発している。従って、当然のことながら「エルニーニョ現象黄砂発生頻度」の関連性も指摘される。また、偏西風による輸送は北太平洋を横断し北米大陸まで到達していることが、衛星画像やモデル計算によって明らかになっており、偏西風に乗った黄砂は気象変動に左右されながらも、中国北方エリア、さらには韓国、日本へと容易に輸送され、各地、各国における頻繁な襲来や被害を誘発する所以となっている。

今年の春においても、黄砂の襲来が頻発している原因は、モンゴルや中国西北などの黄砂発生源エリアにおいて例年より降水量が極端に少なく、かつ気温が高かったため、春の温帯サイクロンにより砂・埃が巻き上げられ、それが北西の風に乗って中国北方エリアにまで運ばれ、深刻な黄砂の襲来となっている。
■ 黄砂の発生要因は単なる自然現象ではない
黄砂は単なる自然現象ではなく、人為的影響による環境問題として捉えるべきである。黄砂現象は従来、自然現象であると理解されがちであるが、観測されるエリアが偏っていることや近年における黄砂発生頻度被害甚大化を考えると、急速に広がりつつある農地転換過放牧による土地の劣化等との関連性を指摘せざるを得ない。
すなわち、黄砂の発生要因は、単なる自然現象ではなく、伐採による森林の減少、過放牧による土地の劣化砂漠化といった「人為的影響により増幅された環境問題」として捉えるべきである。
■ 日本に到達する黄砂粒子の成分
しかも、元来の黄砂粒子は、土壌起源である石英や長石などの造岩鉱物や、雲母、カオリナイト、緑泥石などの粘土鉱物から成り、その総構成成分はアルミニウム>カルシウム>鉄>ナトリウム>マグネシウムなどであるが、日本に到達する黄砂粒子には、これら成分のほかに、アンモニウムイオン、硫酸イオン、硝酸イオン」などが多量に検出され、その粒径も直径4ミクロン付近に分布ピークを持つ粒子であることから、輸送の途中で、世界最大の汚染大国・中国が排出する人為起源大気汚染物質を取り込んでいる可能性が示唆される。とくに、黄砂の移動がPM2.5による大気汚染の移動・分布と重なる場合には、当然ながら燃料燃焼排出の硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)などの有害な大気汚染物質を取り込むことになる。(下図参照) 

また、黄砂は微生物を高度数千mの上空においても数千kmにわたり運んでいる。実際に、日本にやって来る黄砂の中には、健康に悪影響を及ぼす微生物も付着している。また、黄砂は雲粒を生み出す種になるが,黄砂に微生物が付着すると,より雲粒ができ易くなるという。

(ちなみに、元来の「黄砂」の直径はおおむね1〜30μmであるが、他の粒子との粒径を比較すると、大きい順に、スギやヒノキ花粉は直径30〜40μm>日本での黄砂は約4μm>PM2.5(燃料燃焼排出の硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx))は2.5μm以下>ウイルス飛沫(咳やくしゃみなど水分を含んだウイルス)は約2μm>ウイルス(ウイルス核)は約0.1μmである)
■ 黄砂&PM2.5情報(tenki.jp 日本気象協会より)
黄砂解析予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.12. 00
黄砂解析予測 関東甲信 

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.12. 00
PM2.5分布予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.12. 00
黄砂解析予測 日本近域 

黄砂襲来

2023. 4.12.21
黄砂解析予測 関東甲信 

黄砂襲来

2023. 4.12.21
PM2.5分布予測 日本近域

黄砂襲来

2023. 4.12.21
黄砂解析予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.13.03
黄砂解析予測 関東甲信

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.13.03
PM2.5分布予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.13.03
黄砂解析予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.13.06
黄砂解析予測 関東甲信

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.13.06
PM2.5分布予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.13.06
黄砂解析予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.13.09
黄砂解析予測 関東甲信

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.13.09
PM2.5分布予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.13.09
黄砂解析予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.14.00
黄砂解析予測 関東甲信

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.14.00
PM2.5分布予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.14.00
黄砂解析予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.14.12
黄砂解析予測 関東甲信

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.14.12
PM2.5分布予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.14.12
黄砂解析予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.15.03
黄砂解析予測 関東甲信

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.15.03
PM2.5分布予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.15.03
黄砂解析予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.15.15
黄砂解析予測 関東甲信

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.15.15
PM2.5分布予測 日本近域

黄砂襲来 2023年4月

2023. 4.15.15

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