高等学校時代(同窓会関係)
通学に利用した門司港駅舎(国重文)と周辺のレトロの街並み(歴史的建造物群)
■ 通学路と国重要文化財を含む門司港レトロの歴史的建造物群
門司港駅(旧門司駅)本屋(国の重要文化財)
旧門司三井倶楽部(本館)(国の重要文化財)
旧門司税関 (近代化遺産)
旧国際友好記念図書館(大連記念館)
旧門司三井倶楽部(国の重要文化財) 左後方に旧三井物産ビル(旧門鉄ビル)(近代化産業遺産)
旧大阪商船ビル(国の登録有形文化財)
左後方に旧日本郵船ビル(近代化遺産)
左後方に旧日本郵船ビル(近代化遺産)
旧門司港ホテル(プレミアホテル門司港)
船溜まりから見た門司港レトロの歴史的建造物:中央に旧門司税関、右端に旧国際友好記念図書館、後方に門司港レトロハイマート(ランドマーク)
船溜まりから見た門司港レトロの歴史的建造物群:中央左に旧門司三井倶楽部、その左後方に旧三井物産ビル(旧JR九州本社ビル)(旧門鉄ビル)、中央右に旧大阪商船ビル、その左後方に旧日本郵船ビル 、右端に旧門司港ホテル(プレミアホテル門司港)
高等学校 1〜2年生次のクラスメート
■ 学区制が解かれ、各中学から集まった精鋭
学区制が解かれ、各中学から集まった精鋭
定期試験終了直後の撮影だったと記憶する(一学年の学生数:約500名)
定期試験終了直後の撮影だったと記憶する(一学年の学生数:約500名)
高校35回生(珊瑚会)同窓会(門司)卒後初めての開催 1991年8月17日
■ 高校35回生(珊瑚会)卒後初めての同窓会を郷里:門司で開く
高校35回生(珊瑚会)同窓会(東京・赤坂) 1994年10月17日
■ 高校35回生(珊瑚会)同窓会(東京)。出来る限り出席を考慮。
門司東高校35回生同窓会(東京・赤坂) 1994年10月17日
高校35回生(珊瑚会)同窓会(京都・嵐山) 1997年4月20日
■ 高校35回生(珊瑚会)同窓会を京都で開催(関西在住組が担当)
門司東高校35回生同窓会(京都・嵐山) 1997年4月20日
高校35回生(珊瑚会)同窓会(下関)卒業50周年記念 2010年11月14日
■ 高校35回生(珊瑚会)同窓会を恩師在の下関で開催。恩師:古谷悟先生の出席をいただき感謝。しかし、これが最後の別れとなってしまった。
箱根で中学の同窓と20年ぶりのゴルフをし、翌日飛行機で北九州へ、下関での高校同窓会に出席
(偶然にも、日本航空機中の最前席で往路は王貞治氏と、また復路は安部晋三氏と隣席)
(偶然にも、日本航空機中の最前席で往路は王貞治氏と、また復路は安部晋三氏と隣席)
乾杯の音頭をとる
高校時代の恩師:古谷悟先生 出席いただき 感謝!
酒酔い状態で恩師と
関東在住の高校同窓集う(東京・成城自宅にて) 2011年10月21日
■ 関東在住の高校同窓集う(東京・成城自宅にて)大半が体育系!
関東在住の門司東高校35回生同窓会(東京・成城:自宅にて) 2011年10月21日
関東在住の高校同窓集う(東京・新宿京王プラザホテル)2012年1月27日
■ 関東在住の高校同窓集う 新年会(東京・新宿京王プラザホテル)支配人配慮でバイキングルーム唯一の個室を貸切る
関東在住の高校35回生同窓会新年会(新宿・京王プラザホテル)
バイキングルーム唯一の個室を貸切る 2012年1月27日
バイキングルーム唯一の個室を貸切る 2012年1月27日
関東在住の高校同窓集う(東京・成城自宅にて) 2013年8月31日
■ 関東在住の高校同窓集う(東京・成城自宅にて)時間制限なし!
高校時代の思い出話に花が咲く。些細なことまで良く記憶しているものだ。長期記憶は依然健在!
5時間余り爆笑の愉快なひと時を過ごした。
東京近郊在住の門司東高校35回生同窓会(東京・成城自宅にて) 2013年8月31日
東京近郊在住の門司東高校35回生同窓会(東京・成城自宅にて) 2013年8月31日
高校35回生(珊瑚会)同窓会(東京・新宿京王プラザホテル)2015年11月10日
■ 高校35回生(珊瑚会)同窓会を東京で開催(東京在住組が担当)
会場:東京・新宿京王プラザホテル・最上階(47階)「あけぼの」の間
▼ 翌日のエクスカーション 都内観光 2015年11月11日
4年ぶりの九州訪問 −高校同窓集う (門司港)− 2017年8月21日
■ 4年ぶりの九州訪問;学生寮OB会(8/19、博多)出席後、中学同窓集う(8/20、門司)、高校同窓集う (8/21、門司港)
日没、灯ともしごろの門司港
4年ぶりの九州訪問 −高校同窓集う(門司港・料理店)ー
高校35回生(珊瑚会)同窓会(福岡・二日市温泉・大丸別荘)2018年10月18日
■ 腰痛を抱えながら、新規認定の世界遺産・宗像大社および安倍宗任菩提寺・安昌院の面談約束訪問の途、同窓会に出席
自宅ー自動車ー航空機ー自動車ー目的地ー自動車ー航空機ー自動車ー自宅の宅配便で、極力歩行を抑え、2泊3日の九州での高校同窓会(福岡・二日市温泉)、宗像大社・辺津宮(宗像)、渡船フェリーで宗像大社・中津宮(大島)&安倍宗任菩提寺・安昌院(大島)訪問、中学恩師宅訪問(豊前)&中学同窓会(門司)を熟す。 2018年10月18日〜20日 |
大丸別荘・ロビー(別荘HPより)
大丸別荘・宴会場:宝満の間(別荘HPより)
宴会場:大丸別荘 2F 「宝満の間」
同窓会誌「硯の海」特集「コロナ禍の日々に想うこと」への寄稿 2020年7月
■ 同窓会誌・特集寄稿「コロナ禍」 感染の緊要「蟻の一穴」の理
特集寄稿「コロナ禍」感染の緊要「蟻の一穴」の理➔ 拡大 (pdf)
特集寄稿:感染の緊要「蟻の一穴の理」
ウイルス感染の拡大は「人の移動/接触」が全てであり、その防止には「初期対応」が全てである。しかも、感染災害の大小は、「リーダーの智愚の差」に依存する。
2020年7月7日 寄稿 11月10日 発刊ああああああ
感染の緊要「蟻の一穴」の理
荒川 泰昭 (35回生)
大学教授時代を含め退官後も学会理事長、厚労省所管機関の客員や学術アドバイザー、厚労省発行・国際科学誌(英文)のエディターなどを兼務しているが、新年早々、国際会議の特別招待講演で訪れた中国・武漢で、新型コロナウイルスが発生したとのニュースが入った。武漢での感染者は当初1月2日までに41例、1月20日には計198例となり、この時点では、武漢以外の地域での3例に、日本1例、タイ2例、韓国1例の輸入例4例を合わせて205例(内、死亡者3例)の感染者が確認された。この不穏なニュースに接した時、2009年の新型インフルエンザ(パンデミック2009)が脳裏を過り、思わず「感染の緊要“蟻の一穴”の理」と懸念の拙句を口走っていた。感染においては、この時期での「迅速な対応」が最も重要で、「蟻の一穴天下の破れ」(ほんの僅かな油断や軽視が、大きな失敗や損害さらには国家の乱れを引き起こす)の思いであった。
しかし、その後の初期対応は、衛生・公衆衛生の予防医学を本職とする者にとって、余りにも拙悪なるものであった。感染拡大の経緯を拙作のホームページ等に掲載し、その鬱憤を訴えていたが、そんな折、6月下旬に珊瑚会(35回生)会長の西田君より同窓会誌への寄稿依頼が届いた。テーマは特集「コロナウイルス禍」であった。どのスタンスで書くか迷ったが、問題の「初期対応」にフォーカスし拙稿させていただくことにした。
ウイルス感染の拡大は「人の移動/接触」が全てであり、その防止には「初期対応」が全てである。しかも、感染災害の大小は、「リーダーの智愚の差」に依存する。事実、不幸にも人の移動/接触に対する「先見の識あるいは慧眼」なきリーダーを持つ国々では、愚策・後手策の連鎖で、ウイルスを全土に蔓延させ、取返しのつかない深刻な事態を招いており、優れたリーダーを持つ国々では感染への初期対応が速く、迅速・短期・集中の理に適った阻止対策(封じ込め)により、感染拡大を抑え、早々に新規死者ゼロを維持している。ウイルスを国内に招き入れ、全土に拡散させてからでは「後の祭り」で、ワクチンや特効薬が無い限り、国民はその始末(ウイルス禍)に翻弄され、疲弊する。結果、予期せぬ死者を出す。「成るべくして成る」である。
とは言え、死者を発生させた責任は重大である。その責任は、数値ではなく、「個の存在と尊厳」に重きを置き、敬意をもって論じられるべきである。然るに、日本は、米国と同じパターンで、未だに死者が増え続けており、現時点で死者総数は一千人に迫る勢いである。早期より新規死者ゼロの東アジア・西太平洋死亡低値諸国に比べ、日本は最悪である。感染に弱い持病老人にとっては、命の沙汰も「歩く足には泥(塵)が付く」の心境であろう。
大学の講義の初講で話すことであるが、社会医学を扱う衛生学の理念は、アポロ神話の中の、予防の神ハイジア(医薬の神アスクレピウスの子)による「生命を衛り、生活を衛る」の理念に始まり、現在では「予知予見に基づく予防対策」を真髄としている。すなわち、私の在籍した衛生学教室では、初代・緒方正規教授、北里柴三郎助手、森鴎外らが在籍した明治時代においては伝染病が対象の「後追い対策」であったが、現在では社会的要求を背景に、環境衛生、労働衛生、生活習慣病、健康増進、リスクアセスメントなどが対象の「前向き対策」を衛生学の真髄としている。そして、如何に生き、如何に死するかをテーマとしている。リーダーたる者には、この神髄「先取り対策」を帝王学の一つとして会得し、「先見の識あるいは慧眼」なる資質を有して欲しいものである。因みに、今回のコロナ禍では、多くの犠牲を払いつつも、健康教育(衛生教育)の目的である知識の理解、態度の変容、行動の変容(究極の目的)を世界中の人々に実践させ得たことは、皮肉にも対ウイルスの人類にとって益に働いている。
原稿締め切りの7月を考慮して、現時点までの半年間を纏めると、残念ながら、日本では、感染初期の「人の移動/接触」に対する杜撰な「先見なき対応」(含・水際対策での大失態)、軽症者・無症状ウイルス保有者無視の「検査の抑制」、迅速・短期・集中の「検査と隔離」の徹底不全、「検査隔離体制と治療体制」の両立/確立の未完、そして「その場凌ぎ」の愚策・後手策の連鎖にみる「危機管理能」の欠如が、感染拡大を顕著化させ、国民生活や社会経済に無駄な混乱と負担を強い、国民や国を翻弄、疲弊させ、尊い命を奪うに至らしめた。現時点までは、国民の「知恵と忍耐と真面目さ」が愚策による大失態から当面の窮状を救っているが、今後、防疫(命)と経済との両立で、浅短鈍智なる愚策を講ずれば、感染爆発の後続波襲来も必然であろう。(2020年7月7日 寄稿)
――――――――― 同窓会誌「硯の海」特集「コロナ禍」寄稿:1897字
しかし、その後の初期対応は、衛生・公衆衛生の予防医学を本職とする者にとって、余りにも拙悪なるものであった。感染拡大の経緯を拙作のホームページ等に掲載し、その鬱憤を訴えていたが、そんな折、6月下旬に珊瑚会(35回生)会長の西田君より同窓会誌への寄稿依頼が届いた。テーマは特集「コロナウイルス禍」であった。どのスタンスで書くか迷ったが、問題の「初期対応」にフォーカスし拙稿させていただくことにした。
ウイルス感染の拡大は「人の移動/接触」が全てであり、その防止には「初期対応」が全てである。しかも、感染災害の大小は、「リーダーの智愚の差」に依存する。事実、不幸にも人の移動/接触に対する「先見の識あるいは慧眼」なきリーダーを持つ国々では、愚策・後手策の連鎖で、ウイルスを全土に蔓延させ、取返しのつかない深刻な事態を招いており、優れたリーダーを持つ国々では感染への初期対応が速く、迅速・短期・集中の理に適った阻止対策(封じ込め)により、感染拡大を抑え、早々に新規死者ゼロを維持している。ウイルスを国内に招き入れ、全土に拡散させてからでは「後の祭り」で、ワクチンや特効薬が無い限り、国民はその始末(ウイルス禍)に翻弄され、疲弊する。結果、予期せぬ死者を出す。「成るべくして成る」である。
とは言え、死者を発生させた責任は重大である。その責任は、数値ではなく、「個の存在と尊厳」に重きを置き、敬意をもって論じられるべきである。然るに、日本は、米国と同じパターンで、未だに死者が増え続けており、現時点で死者総数は一千人に迫る勢いである。早期より新規死者ゼロの東アジア・西太平洋死亡低値諸国に比べ、日本は最悪である。感染に弱い持病老人にとっては、命の沙汰も「歩く足には泥(塵)が付く」の心境であろう。
大学の講義の初講で話すことであるが、社会医学を扱う衛生学の理念は、アポロ神話の中の、予防の神ハイジア(医薬の神アスクレピウスの子)による「生命を衛り、生活を衛る」の理念に始まり、現在では「予知予見に基づく予防対策」を真髄としている。すなわち、私の在籍した衛生学教室では、初代・緒方正規教授、北里柴三郎助手、森鴎外らが在籍した明治時代においては伝染病が対象の「後追い対策」であったが、現在では社会的要求を背景に、環境衛生、労働衛生、生活習慣病、健康増進、リスクアセスメントなどが対象の「前向き対策」を衛生学の真髄としている。そして、如何に生き、如何に死するかをテーマとしている。リーダーたる者には、この神髄「先取り対策」を帝王学の一つとして会得し、「先見の識あるいは慧眼」なる資質を有して欲しいものである。因みに、今回のコロナ禍では、多くの犠牲を払いつつも、健康教育(衛生教育)の目的である知識の理解、態度の変容、行動の変容(究極の目的)を世界中の人々に実践させ得たことは、皮肉にも対ウイルスの人類にとって益に働いている。
原稿締め切りの7月を考慮して、現時点までの半年間を纏めると、残念ながら、日本では、感染初期の「人の移動/接触」に対する杜撰な「先見なき対応」(含・水際対策での大失態)、軽症者・無症状ウイルス保有者無視の「検査の抑制」、迅速・短期・集中の「検査と隔離」の徹底不全、「検査隔離体制と治療体制」の両立/確立の未完、そして「その場凌ぎ」の愚策・後手策の連鎖にみる「危機管理能」の欠如が、感染拡大を顕著化させ、国民生活や社会経済に無駄な混乱と負担を強い、国民や国を翻弄、疲弊させ、尊い命を奪うに至らしめた。現時点までは、国民の「知恵と忍耐と真面目さ」が愚策による大失態から当面の窮状を救っているが、今後、防疫(命)と経済との両立で、浅短鈍智なる愚策を講ずれば、感染爆発の後続波襲来も必然であろう。(2020年7月7日 寄稿)
――――――――― 同窓会誌「硯の海」特集「コロナ禍」寄稿:1897字
特集寄稿「コロナ禍」感染の緊要「蟻の一穴」の理 ➔ 拡大 (pdf)
同窓会誌「硯の海」特集 「今、世の中に伝えたいこと」への寄稿 2022年7月
■ 同窓会誌・特集寄稿 「コロナ禍に思う−人類への啓示ー」
特集寄稿 「コロナ禍に思う −人類への啓示−」 ➔ 拡大 (pdf)
特集寄稿:コロナ禍に思う ー人類への啓示ー
コロナ禍が、考えさせ、気付かせる 「人類への啓示」
2022年7月20日 寄稿 10月20日 発刊ああああああ
コロナ禍に思う −人類への啓示−
荒川 泰昭 (35回生)
鬱然たるコロナ禍中に、中学高校時代の同窓からの電話は一服の安らぎを与えてくれるが、6月中旬、同窓会誌「硯の海」への寄稿依頼が届いた。一昨年に続いての寄稿を慮るも、世に一喝をと押され、予防医学者として半世紀前より訴えていた「生態系破壊の惑業苦(わくごっく;煩悩・悪行・苦しみの悪因悪果の悪循環)」をコロナ禍に絡めて、ミクロとマクロの両面から、拙稿させて頂くことにした。
今回の「新興感染症」(COVID-19)は、中国武漢市に端を発し、現代のグローバル化が仇となり、地球規模のパンデミックを発生させ、人類史上類を見ない未曾有の感染災害を引き起こした。その感染源については、コウモリ由来説など諸説あるが、変異痕跡から数種の中間宿主の介在が考えられている。
そこで、今回の騒動を検証すべく、新型ウイルス(SARS-CoV-2)の正体や挙動を「生涯過程」の観点から、「感染の機序」を中心に纏めてみた。字数の都合で、感染機序の詳細は割愛するが、その概要だけでも簡単に述べておきたい。
この新型ウイルスの挙動は実にユニークで、ウイルスのスパイク(S)蛋白質と宿主(咽喉や肺)細胞の受容体との強力な結合・融合を経て、細胞内へ侵入後、免疫監視機構を回避しながら細胞の諸器官を乗っ取り、改造し、隠密化した改造小胞体で複製・翻訳し、自らの複製(新生ウイルス粒子)を大量に製造、貯留する。そして、新生ウイルス粒子は、表口の細胞膜から出芽せず、脂質二重膜で身を被い、敢えて裏口の廃棄処理器官(ゴルジ体やリソソーム)から細胞外に出る。しかも、この細胞外に出る直前で、次の獲物(宿主)への攻撃(侵入)準備、すなわち感染速度を速めるために、予めS蛋白質の結合部位を切断する。(この切断部位の性状により、感染力の異なる変異株が生まれる)。などの過程を経る。
このように、この新型ウイルスは、特異な能力、技能そして知恵を有することで、急速な感染拡大能力や致死能力を極端に高めているのである。
しかも、変異の速度も速く、最近では下気道を標的とする致死性の高いデルタ株から、上気道を標的とする軽症性のオミクロン株およびその系統の変異株(BA.1<BA.2)へと置き換わり、さらに直近では、既感染や既ワクチン接種に抵抗して、より強力な免疫/中和回避能を持つ(=易再感染性の)変異株(BA.4<BA.5)へと置き換わり、感染速度を益々速め、感染力を爆発的に増大させる戦略へと変化させている。
この新型ウイルスは、RNAウイルスであり、複製ミスの修復機能がないため、遺伝子変異が生じやすく、置かれた環境に適応すべく、次々と遺伝子変異を繰り返す。また自力では増殖できないため、人間や動物などの細胞に侵入し、自らの複製を大量に作らせ、増大・伝播させながら、必死で生き延びようとする。まさに、このウイルスの生存戦略である。しかも、このRNAウイルスの「したたかさ」は、今後「不顕性感染」という形で姿を隠し、人間の欲望や生活循環に巧みに寄生し、永遠に人間社会で生き続ける可能性すらある。
このような「新興感染症」、「新型ウイルス」の出現を考える時、常に脳裏をよぎるのは、「生態系破壊の惑業苦」である。即ち、生態系における人間の能力の域をはるかに超えて、自然循環(生態系)に入り得ない人為環境(人間の社会系)を地球的規模にまで拡大化させてしまったこと。その結果、生物系、自然系との相互作用を破壊し、地球的規模の環境問題を引き起こし、地球的規模にまで生態系の破綻を拡大させ、人類の生存にまで影響を及ぼすことになったこと。など、悪因悪果の悪循環に嵌っていることである。
今回の新型コロナウイルス感染症は、とくに、その人為環境の拡大が、ウイルスの生態系を破壊し、本来の生息地や野生動物の中で身を潜めて生きていたウイルスを、引きずり出しあるいは覚醒させて、出現させた「新興感染症」に他ならない。この事象はまさに天敵(ウイルス)の逆襲であり、人間の利己的な傲慢さに対する戒めであり、人間に行動変容を求める生態系からの警告である。即ち、これらは全て「生態系破壊の惑業苦」に嵌る人類への啓示である。
従って、自然の脅威を忘れ、ややもすると利己性が優先されがちな現代社会において、このウイルスを制し、人類がこの地球上で生き延び、社会の持続性を維持していくためには、即ちこの惑業苦から脱出するためには、人類全体で、「利他行動(相手を思いやる行動)」を取り戻し、自然に対して「利他性」を持って「生態系を含む生物多様性」を尊重する関係(対等な関係)を築いていくべきである、即ち共生の観点から言えば、お互いの多様性を理解し、「自然共生」のあり方を再考し、その構築に努めるべきであると大喝したいのである。(2022年7月23日 寄稿)
―― 同窓会誌「硯の海」特集「今、世の中に伝えたいこと」寄稿:1940字
今回の「新興感染症」(COVID-19)は、中国武漢市に端を発し、現代のグローバル化が仇となり、地球規模のパンデミックを発生させ、人類史上類を見ない未曾有の感染災害を引き起こした。その感染源については、コウモリ由来説など諸説あるが、変異痕跡から数種の中間宿主の介在が考えられている。
そこで、今回の騒動を検証すべく、新型ウイルス(SARS-CoV-2)の正体や挙動を「生涯過程」の観点から、「感染の機序」を中心に纏めてみた。字数の都合で、感染機序の詳細は割愛するが、その概要だけでも簡単に述べておきたい。
この新型ウイルスの挙動は実にユニークで、ウイルスのスパイク(S)蛋白質と宿主(咽喉や肺)細胞の受容体との強力な結合・融合を経て、細胞内へ侵入後、免疫監視機構を回避しながら細胞の諸器官を乗っ取り、改造し、隠密化した改造小胞体で複製・翻訳し、自らの複製(新生ウイルス粒子)を大量に製造、貯留する。そして、新生ウイルス粒子は、表口の細胞膜から出芽せず、脂質二重膜で身を被い、敢えて裏口の廃棄処理器官(ゴルジ体やリソソーム)から細胞外に出る。しかも、この細胞外に出る直前で、次の獲物(宿主)への攻撃(侵入)準備、すなわち感染速度を速めるために、予めS蛋白質の結合部位を切断する。(この切断部位の性状により、感染力の異なる変異株が生まれる)。などの過程を経る。
このように、この新型ウイルスは、特異な能力、技能そして知恵を有することで、急速な感染拡大能力や致死能力を極端に高めているのである。
しかも、変異の速度も速く、最近では下気道を標的とする致死性の高いデルタ株から、上気道を標的とする軽症性のオミクロン株およびその系統の変異株(BA.1<BA.2)へと置き換わり、さらに直近では、既感染や既ワクチン接種に抵抗して、より強力な免疫/中和回避能を持つ(=易再感染性の)変異株(BA.4<BA.5)へと置き換わり、感染速度を益々速め、感染力を爆発的に増大させる戦略へと変化させている。
この新型ウイルスは、RNAウイルスであり、複製ミスの修復機能がないため、遺伝子変異が生じやすく、置かれた環境に適応すべく、次々と遺伝子変異を繰り返す。また自力では増殖できないため、人間や動物などの細胞に侵入し、自らの複製を大量に作らせ、増大・伝播させながら、必死で生き延びようとする。まさに、このウイルスの生存戦略である。しかも、このRNAウイルスの「したたかさ」は、今後「不顕性感染」という形で姿を隠し、人間の欲望や生活循環に巧みに寄生し、永遠に人間社会で生き続ける可能性すらある。
このような「新興感染症」、「新型ウイルス」の出現を考える時、常に脳裏をよぎるのは、「生態系破壊の惑業苦」である。即ち、生態系における人間の能力の域をはるかに超えて、自然循環(生態系)に入り得ない人為環境(人間の社会系)を地球的規模にまで拡大化させてしまったこと。その結果、生物系、自然系との相互作用を破壊し、地球的規模の環境問題を引き起こし、地球的規模にまで生態系の破綻を拡大させ、人類の生存にまで影響を及ぼすことになったこと。など、悪因悪果の悪循環に嵌っていることである。
今回の新型コロナウイルス感染症は、とくに、その人為環境の拡大が、ウイルスの生態系を破壊し、本来の生息地や野生動物の中で身を潜めて生きていたウイルスを、引きずり出しあるいは覚醒させて、出現させた「新興感染症」に他ならない。この事象はまさに天敵(ウイルス)の逆襲であり、人間の利己的な傲慢さに対する戒めであり、人間に行動変容を求める生態系からの警告である。即ち、これらは全て「生態系破壊の惑業苦」に嵌る人類への啓示である。
従って、自然の脅威を忘れ、ややもすると利己性が優先されがちな現代社会において、このウイルスを制し、人類がこの地球上で生き延び、社会の持続性を維持していくためには、即ちこの惑業苦から脱出するためには、人類全体で、「利他行動(相手を思いやる行動)」を取り戻し、自然に対して「利他性」を持って「生態系を含む生物多様性」を尊重する関係(対等な関係)を築いていくべきである、即ち共生の観点から言えば、お互いの多様性を理解し、「自然共生」のあり方を再考し、その構築に努めるべきであると大喝したいのである。(2022年7月23日 寄稿)
―― 同窓会誌「硯の海」特集「今、世の中に伝えたいこと」寄稿:1940字
特集寄稿 「コロナ禍に思う −人類への啓示−」 ➔ 拡大 (pdf)