アゲハチョウの幼虫 −青虫や蝶追いし頃思う秋−−日向這う秋の青虫春飛ばめ−|「生命と微量元素」講座<荒川泰昭>

「生命と微量元素」講座

アゲハチョウの幼虫

青虫や蝶追いし頃思う秋  2013年9月26日

日向這う秋の青虫春飛ばめ  2013年9月26日

■ アプローチ塀の笠木の上にアゲハチョウの幼虫
秋の青虫は、春夏より食料も少なく、これから(さなぎ)となって長く厳しい冬を越えなければならない。頑張って来春を迎え、短く儚い命ではあるが、蝶になって春の陽や風の中で、飛び、舞い、暖かい春を満喫して欲しい。
<幼虫の体の構え>
頭に見える部分が胸部にあたり、実際の頭部は小さく胸部の先に、また腹部は胸部の後についている。眼に見える部分は眼状紋といい、眼ではなく敵を威嚇するための模様だと言われている。実際の幼虫の眼は、体の一番先にある頭部にあり、単眼が左右に6個ずつ合計で12個ある。足(脚)は3つの部分に別れて付いており、胸脚が3対、腹脚が4対、尾脚1対ある。胸脚が成虫(蝶)になったときの脚となる部分である。

<アゲハ蝶の寿命は短いが、一年に何度も世代交代>
アゲハ蝶の寿命は短く儚い命と言われる反面、3シーズンで見ることができるのは、春型のアゲハ蝶と夏型のアゲハ蝶がおり、一年に何度も世代交代を繰り返すためである。
春型のアゲハ蝶は、主に3、4、5月に見られる。秋に幼虫になって蛹(さなぎ)のまま越冬したもの。幼虫の間、春夏より食べ物が少なく、やや小型で薄い色をしている。飛び方はゆったりとスピードが遅い。夏型のアゲハ蝶は、6、7、8、9月に見られ、幼虫の間、春や夏の新芽をたくさん食べて育ち、体も大きく色も黒っぽく濃い。飛び方は素早く、力強い。

<世代交代>
産卵から約5日で孵化し幼虫となり、5回の脱皮を繰り返して、約1ヶ月で蛹になり、さらに約2週間で羽化する。合計約2ヶ月で成虫になったメスはすぐに交尾して産卵する。すなわち、羽化してからの寿命はわずか2週間、長くても1ヶ月ほどである。したがって、多いものは1年に3〜4回も世代交代をする。ただし、秋に生まれた幼虫は蛹のままで5か月間、越冬する。

<食害性害虫>
寄生:ミカン・カラタチ・サンショウなどに寄生。発生時期:3月〜11月。特徴:幼虫が各種のカンキツ類の葉を蚕食して被害を与える。刺激を受けると前胸部から橙黄色の臭角を出し、リンゴの腐敗臭に似た悪臭を発散する。

アゲハチョウの幼虫

アゲハチョウの幼虫

アゲハチョウの幼虫

アゲハチョウの幼虫

アゲハチョウの幼虫

▼ アゲハ蝶の幼虫の眼(単眼)および眼状紋

幼虫の眼

幼虫の眼

眼に見える部分は眼状紋といい、眼ではなく敵を威嚇するための模様だと言われている。実際の幼虫の眼は、体の一番先にある頭部にあり、単眼が左右に6個ずつ合計で12個ある。

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